日本の「価値観外交」は必ず失敗する
ここ数年、日本外交の振り子は激しく揺れている。数年前に「自由と繁栄の弧」を持ち出したかと思えば、少し前には「東アジア共同体」となり、そして野田内閣は「価値観外交」に再び振り子を戻した。だが注意深く見れば、現在の「価値観外交」は「繁栄の弧」を欠く「自由の弧」外交であることがすぐにわかる。(文:韓佐民・中日関係史学会理事、元駐大阪副総領事。「環球時報」掲載)
東アジア地域には冷戦構造がなお残存している。こうした環境の中、かつて冷戦の橋頭堡だった日本の外交政策は、必然的に冷戦思考が中心となる。たとえば「自由の弧」とは、「価値観」の異なる国に対する包囲の弧だ。「繁栄の弧」とは、中国など新興国の発展がもたらす経済的利益を享受することだ。今回日本が「価値観外交」に振り子を戻した背景には、米国のアジア回帰がある。これは事実上、冷戦思考へ振り子を戻すものだ。
ASEANにしてみれば、体制・宗教・価値観の違いを乗り越えたこの各国の連合体に「価値観外交」を押し込もうものなら、小異を残して大同につくのではなく、対立が発生・拡大し、分裂が生じ、ASEANは戦場と化してしまう。これは海外市場の回復を必要とする日本にとってマイナスだ。










関連記事






