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アトピー性皮膚炎
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アトピー性皮膚炎とは?原因は?
アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆ
みのある湿疹です。
原因としては、皮膚のバリア機能注)障害や環境因子、アレルギー因
子などが関連しあっていることが知られています。
簡単に言うと、“乾燥肌・敏感肌という体質からくる、慢性の注)
過をとるかゆみのある皮膚炎”といえます。
第 章
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アトピー性皮膚炎
注)バリア機能とは、皮膚の表面がしっとりとしていて外界の刺激から守る機能のことです。
注)慢性とは、1歳未満の児では2ヶ月以上、それ以上の児では6ヶ月以上続くことを言い
ます。
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症状は?悪化させる因子は?
症状
1歳くらいまでは、顔や頭、体幹、四肢などに、かゆみのある、か
さかさや赤みや時にじゅくじゅくした皮膚の症状がみられます。
1歳をすぎた幼児期では首や肘・膝などの関節の内側に左右対称に
かゆみ、赤み、じゅくじゅく、ごわごわやぶつぶつなどの症状が出
やすいことが知られています。耳のつけ根のきれつもよくみられま
す。
かゆみのために引っ掻
くことで皮膚炎が悪化
し、そのために瘙痒感
が強くなり、また引っ
かくという悪循環を生
じることもアトピー性
皮膚炎の特徴で、注意
が必要です。
悪化させる因子は?⇨どう対処する?
◦春∼夏には・・発汗・プールの消毒薬の塩素・高すぎる室温・高
い湿度などが増悪因子です。
⇨汗はふく、プールや海水浴後はシャワーをしっかりあびる、室
温、湿度に注意しましょう。
秋∼冬には・・衣類のごわごわや毛羽立ち・ニットのハイネック・
セーター・空気の乾燥・熱い風呂などが増悪因子です。
⇨衣類としては柔らかい木綿の衣類が直接皮膚にあたるようにし
ましょう。子どもに触れる場合は大人が身につけるニットにも
注意が必要です。室内の乾燥に注意しお風呂は少しぬるめ位に
図1 症状の出やすい箇所
①乳児期
②幼・小児期
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第1章
アトピー性皮膚炎

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しましょう。
環境因子・・ぬいぐるみ、カーテン、カーペット、などはほこり
のつきやすいものです。
⇨できるだけ洗ったり干したりしましょう。
スキンケア上の注意は・・不適切な塗り薬が増悪因子となること
もあります。
⇨合わないかもと感じたらいったんやめて医師に相談してみましょ
う。
その他・・引っ掻くこと・精神的なストレスも悪化因子となりま
す。
⇨引っ掻きがとまらない場合はお薬の変更が必要かもしれません。
医師に相談しましょう。
⇨親子でリラックスできる時間をつくりましょう。症状をコント
ロールし、幼稚園や保育園へ規則正しく登園することが生活リ
ズムを作り、子どもの気分転換になることも多いです。
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アトピー性皮膚炎
第1章

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アレルゲンとは?どう対処する?
標準的な、薬物治療(塗り薬や飲み薬)を行っても、アトピー性皮
膚炎の改善が得られない場合などには、アレルゲンとなっている因
子(食物・ほこり・ダニなど)を調べることも有効ですが、アレル
ゲンの決定やその対処は難しい為、自己判断ではなく、医師と相談
の上すすめることが大切です。
乳児(1歳未満の子ども)では、適切なスキンケアや薬物療法を行っ
ても症状が改善しない場合に食物アレルギーの関与の有無を確認し
ます。食物アレルゲンの関与が明らかな場合に除去食療法の効果が
見られていますが、この治療期間もスキンケアや外用療法は続ける
必要があります。年齢が上がるにつれ、身体の成長とともに食べる
ことの出来る食品が増えることが知られています。定期的に診察を
受けて過剰な食物制限は避けましょう。
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第1章
アトピー性皮膚炎

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治療について
アトピー性皮膚炎の治療は、自己流ではなく、皮膚科医や小児科医
の診察と処方を受けた上で行いましょう。治療のポイントは、以下
の3つのようになります。
ぬり薬:湿疹の炎症症状を抑えることができます。
飲み薬:かゆみやアレルギー反応を体内から抑えることができます。
保湿剤:保湿を行うことで症状が出にくくなります。
ぬり薬
アトピー性皮膚炎でみられる湿疹の治療の基本は、ステロイドのぬ
り薬です。
ステロイドのぬり薬の強さは5段階にわかれており、体の部位によっ
て吸収され方が異なります。医師は、症状の強さと部位によってス
テロイドのぬり薬の強さを調節しますので、定期的に医師の診察を
受けて、自分の症状に合ったお薬をぬることが大切です。タクロリ
ムス軟膏という塗り薬もあり、2歳以上の子どもでは症状によって
処方されることがあります。
飲み薬
抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤が処方されます。かゆみやアレル
ギー反応を体の内側から抑えるのに有効です。粉薬(ドライシロッ
プ)や液体のことが多く、かゆみの強いときには、内服することで
入眠が楽になったり夜間も良く寝られるようになります。熱性けい
れんの既往のあるお子さんでは、注意が必要なことがあります。
保湿剤
保湿剤も症状等にあわせて医師に処方してもらいましょう。さらっ
としたローションタイプから、ワセリンのようなものまでいろいろ
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アトピー性皮膚炎
第1章

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な製品があります。しっとりとした状態を保つことで皮膚の湿疹や
かゆみが出にくくなります。
∼風呂のあとが、お薬を塗るタイミング∼
お風呂で、ごしごしあらうことは禁物です。柔らかいタオルか手で、
普通の石鹸を泡立てて優しく洗うようにしましょう。アトピー性皮
膚炎の子どもは、お湯の温度が熱いとかゆみが誘発されますので、
少しぬるめの温度にしてください。入浴剤は硫黄を含むものは避け
ましょう。
お薬をぬるのに最適な時間帯はお風呂あ
がりです。軽くタオルで押さえるように
拭き、皮膚が清潔でしっとりとした状態
のところにぬり薬を皮膚にな
じませます。できれば翌朝の
着替え時にもう1回ぬるよう
にしましょう。保湿剤も一緒
に使用しましょう。ぬり方は
医師の指導を受けましょう。
∼ぬり薬の副作用∼
ステロイドのぬり薬の副作用として、使用し続けた場合に皮膚がう
すくなる、赤みがでる、にきびができやすくなる、細い血管が拡張
するなどの副作用を認めることがあります。
ステロイドの外用剤の副作用として、色素沈着はありません。
医師の注意を守って、「どの薬」を「どの部位」に、「どのくらいの
量と回数」で、「症状がどのようになるまで」塗るのかをよく確認
して使用してください。お顔は皮膚がうすいので副作用の出やすい
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第1章
アトピー性皮膚炎

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箇所ともいえます部位ですので、医師とよく相談して外用しましょ
う。
タクロリムス軟膏の副作用として、塗ったときのひりひり感があり
ます。
非ステロイド系消炎外用剤はかぶれる事もありますので、心配な場
合は、皮膚科医師や小児科医師の診察を受けましょう。
∼爪切り∼
爪は短く切り、できればやすりをかけましょう。
∼アトピービジネス∼
「これでアトピーが治った!」「体質を変える!」このような宣伝文
句で、非常に高額な商品を売りつけられるアトピー性皮膚炎の患者
さんが実際におられ“アトピービジネス”という言葉が生まれまし
た。まず標準的な治療を行うことが重要です。
合併しやすい皮膚の病気は?
特に多いのは以下の病気です。
水イボ(伝染性軟属腫)
ウイルスによる小さな白っぽいぷつぷつが、脇や体などにできます。
かきこわすとウイルスが拡がります。自然に治るのを待つか、治り
にくい場合は除去することもあります。皮膚の接触やビート板など
を介してうつることがありますが、水を介して伝染するわけではあ
りません。
とびひ(伝染性膿痂疹)
皮膚の表面にばい菌がついて、皮膚がむけたようになって、拡がっ
ていきます。感染力がありますので、抗生物質を内服し、皮膚の症
状にあったお薬をぬって治療しましょう。
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アトピー性皮膚炎
第1章

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ヘルペス(カポジ水痘様発疹症)
ヘルペスウイルスが、アトピー性皮膚炎でかきむしったようなとこ
ろから、感染して小水疱が拡がります。専門医の診察と治療が必要
です。場合によっては入院治療などが必要なケースもあります。
眼の症状
眼の周りを掻いたり叩いたりすることで眼瞼炎、角結膜炎、白内障、
まれに後に網膜剥離などが生じることがあります。普段からのアト
ピー性皮膚炎のコントロールが大切です。
幼稚園や保育園での生活上の注意
塗り薬
一般的には朝と夜の1日2回家庭で塗るだけで充分です。症状によっ
て、園で塗布する場合、使い慣れたお薬であれば問題はないと思わ
れますが、保護者とよく話し合って、塗る部位・塗り方などを確認
して使用するようにしましょう。
プール
消毒の塩素はアトピー性皮膚炎の症状を悪化させることがあり、症
状が強い場合には、医師と相談していただくほうがよいでしょう。
プール後は充分にシャワーを使用します。とびひのときはプールの
使用はしません。
紫外線
アトピー性皮膚炎の児では、適度な紫外線で皮膚炎が軽快すること
もありますが、きつい日焼けは症状を悪化させることがあります。
遠足や運動会などでは、帽子や日焼け止めの使用、テント等の整備
なども考慮することが必要かと思われます。
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アトピー性皮膚炎

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ペットの飼育
動物や鳥の毛やフケ、羽などはアトピー性皮膚炎の症状を悪化させ
ることがあります。飼育係などをはずす配慮が必要です。
かゆみの訴えに対して
かゆいところを冷やすことで症状が和らぎます。汗をシャワーで流
したり、濡れたタオルで汗をふき取ることも効果があります。
サイドメモ インフルエンザ対策で、置かれるようになった消毒
薬は、アトピーの子どもにとっては皮膚に刺激となりアトピーの
症状を悪化させます。ふつうの手洗いでOKです。
おわりに
アトピー性皮膚炎は乳幼児に多い疾患で、近年増加傾向にあること
が知られています。
しかし、幸いにも最近では、上手にコントロールできる病気になっ
てきました。
「いい状態を保って、保育園や幼稚園で楽しく過ごす」ことを目標
に、お薬の使用方法や日常生活に注意していきましょう。
皮膚の症状に関して、不安や心配があれば、まず、かかりつけの医師
の診察をうけて、相談していただきたいと思います、症状によって
お薬も変わりますので是非、定期的に診察を受けるようにしましょ
う。
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アトピー性皮膚炎
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