日本共産党が主導する「国民連合政府」構想の問題点、危険性 八幡和郎氏
第190通常国会が4日、召集された。天皇陛下をお迎えした開会式には、これまで天皇制に批判的で欠席していた共産党が、方針を転換して出席した。同党が提案する野党連立政権「国民連合政府」構想などの問題点・危険性について、評論家で、徳島文理大学の八幡和郎教授が考察した。
2016年夏の参院選へ向け、共産党が民主党などに共闘を呼びかけ、安全保障法制廃止をほとんど唯一の共通政策とする「国民連合政府」を目指している。学生グループ「SEALDs(シールズ)」などの「市民連合」がこれを後押しし、民主党の岡田克也代表も党内に反対論があるのに、何らかの協力を模索している。
まず、単一問題のために政権構想を描くのは筋違いである。民主党は「かえって票が逃げる」し、「共産党が票を伸ばすだけ」だろう。未来永劫(えいごう)、共産党やその残党は政権に参加させるべきではないとは思わないが、安直な共闘は民主党にとっては悪夢となり、共産党にとっても先進国型の左派勢力として生まれ変わる妨げになると思う。
東西冷戦の時代、共産党は、フランスやイタリアでは大政党で、東ドイツでは政権党だったが、大変身した。イタリアではキリスト教民主党左派と組み民主党となり、フランスでは社会党から分離した左派党と統一会派を成し、ドイツでは左派党に生まれ変わり社民党との共闘を模索する。
それと比べて、共産党という名も変えず、過去への明確な反省も感じられない日本共産党は、先進国の共産党で最も民主化が遅れていると思う。
少し話はそれるが、市民連合の中心メンバーである法政大学の山口二郎教授が、慰安婦問題をめぐる日韓合意に関して、「日本政府の公式見解に反することを厳しく処断することができるかどうかが問われる」とツイートした“事件”が昨年末にあった。「言論の自由」は左翼専用と思っている人が多いのは困りものだ。
