日本独占資本主義は、戦後の情勢のもとで、対米従属的
な国家独占資本主義として発展し、国民総生産では、早い
時期にすべてのヨーロッパ諸国を抜き、アメリカに次ぐ地
位に到達するまでになった。その中心をなす少数の大企業
は、大きな富をその手に集中して、巨大化と多国籍企業化
の道を進むとともに、日本政府をその強い影響のもとに置
き、国家機構の全体を自分たちの階級的利益の実現のため
に最大限に活用してきた。国内的には、大企業・財界が、
アメリカの対日支配と結びついて、日本と国民を支配する
中心勢力の地位を占めている。
大企業・財界の横暴な支配のもと、国民の生活と権利に
かかわる多くの分野で、ヨーロッパなどで常識となってい
るルールがいまだに確立していないことは、日本社会の重
大な弱点となっている。労働者は、過労死さえもたらす長
時間・過密労働や著しく差別的な不安定雇用に苦しみ、多
くの企業で「サービス残業」という違法の搾取方式までが
常態化している。雇用保障でも、ヨーロッパのような解雇
規制の立法も存在しない。
女性差別の面でも、国際条約に反するおくれた実態が、
社会生活の各分野に残って、国際的な批判を受けている。
公権力による人権の侵害をはじめ、さまざまな分野での国
民の基本的人権の抑圧も、重大な状態を残している。
日本の工業や商業に大きな比重を占め、日本経済に不可
欠の役割を担う中小企業は、大企業との取り引き関係でも、
金融面、税制面、行政面でも、不公正な差別と抑圧を押し
つけられ、不断の経営悪化に苦しんでいる。農業は、自立
的な発展に必要な保障を与えられないまま、「貿易自由化」
の嵐にさらされ、食料自給率が発達した資本主義国で最低
の水準に落ち込み、農業復興の前途を見いだしえない状況
が続いている。
国民全体の生命と健康にかかわる環境問題でも、大企業
を中心とする利潤第一の生産と開発の政策は、自然と生活
環境の破壊を全国的な規模で引き起こしている。
日本政府は、大企業・財界を代弁して、大企業の利益優
先の経済・財政政策を続けてきた。日本の財政支出の大き
な部分が大型公共事業など大企業中心の支出と軍事費とに
向けられ、社会保障への公的支出が発達した資本主義国の
なかで最低水準にとどまるという「逆立ち」財政は、その
典型的な現われである。